はぢめて

本格的に引越しを始めたので、向こう三軒・両隣・上の階・下の階の人に挨拶をしに行った。粗品を渡しながらどうもどうもとお辞儀をしていると、お辞儀の回数だけ「おとな」の責任がくっついてくるようで、気持ちが少し重くなった。口ベタだと思っていた彼は、案外愛想良く挨拶をしていたので、やればでできるじゃないかと思った。頼もしかった。
右隣の家にはりゅうくんというグレーの小型犬がいて、左隣の家にはちっさいおばあちゃんがいた。どっちもかわいかった。